近年増えているご相談に自己免疫疾患があります。
膠原病(こうげんびょう)とも言われます。
私たちの体は「免疫」というシステムを持っています。
免疫とは、絶えず侵入する異物、体内で出来た異常細胞や老化細胞を生体が傷つくことなく排除する仕組みのことです。
でも、不適切な反応がおこることがあり、身体が傷つけられることがあります。
これを広義ではアレルギーというのですが、特に、自分自身の組織に向けられた時、自己免疫疾患が起こります。
原因もわかっていないことが多く、いくつかの仮説があります。
それらをまとめると
などが、単独もしくは複合的に作用し、自己抗体(免疫機能の異常により、自分の細胞成分に対して免疫反応を引き起こしてがつくられた抗体)がつくられ発症するようです。
女性に多い(平均1:7)のは女性ホルモンが関与しているせいです。
自己免疫疾患には、
①臓器特異的のもの
②全身性のもの
があります。
①は、
などがあります。
②は、
などです。
病院で「自己免疫疾患」と診断されるには以下のような病態が確認できます。
1.自己抗体が存在する。
2.標的臓器にリンパ球の浸潤がある。
3.特定のHLAと疾患が関係する。(HLA:白血球の血液型みたいなもの)
4.免疫抑制剤の効果が確認できる。
自己免疫疾患の罹患率は人口の5~7%(約800万人)で、決して稀な病気ではなくなっています。
また、リーキーガット (腸管壁浸漏)症候群(LGS) が関与していることが注目されています。
※LGSは腸管膜に大きな穴が開きます。
この穴から本来吸収されるべきではないサイズの異物(バクテリア、毒素、食物)が体内に侵入して様々な症状がでます。
まず、腸管に炎症が起こると適切に栄養素や食物が吸収されず、疲労や膨満がでます。
栄養素を血液中に運ぶタンパク質も損傷を受け、栄養素欠乏状態が起こります。
開いた穴から、大きい食物分子が侵入した場合、異物反応としての抗体が産生され食物アレルギーや関節炎、線維性筋肉痛のよう新たな症状がでます。
また、 保護膜(IgAが関与)が影響を受け、体内はカンジダ菌などの真菌、バクテリア、ウイルスに対する防御機能が低下し、感染症になりやすくなります。
腸の解毒作用に障害がでて、化学物質や汚染物質が体内に侵入し、「過敏症状」がでます。
更に解毒組織である肝臓にも負担がかかります。
LGSによって血中に入ってきた食物や汚染化学物質などの異物に対する抗体が作られ、抗体がそれらの異物に作用するだけでなく、人の組織にも作用します。
これが自己免疫疾患(関節リウマチ、甲状腺異常、潰瘍性大腸炎など)などの原因になっている可能性もあります。
つまり、LGSは潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、線維筋痛症、慢性疲労、不眠症など様々な病気や症状との関連しています。
自己免疫疾患は免疫の異常で起きています。
ですから、免疫の狂いを正していくことが必要だと考えています。
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