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◎ 肉の生食・加熱不足による食中毒が増加中

蒸し暑い日が続く梅雨の季節に気になる事といえば、「食中毒」です。

梅雨の時期はウイルスや細菌が増殖しやすく、

ノロウイルスやサルモネラ菌などにより毎年2万人以上

の被害があり、死に至るケースもあります。

そして、食中毒の発生件数としては3年連続ワースト1の細菌「カンピロバクター」には、

冷蔵保存で菌が生き残る、新鮮な状態のモノほど危険性が高いという特徴があり、

保存や調理に注意が必要です。

厚生労働省のデータによると、去年発生した食中毒の件数のうちカンピロバクターが

全体の3分の1を占め、続いてノロウイルス、サルモネラ菌と続きます。

カンピロバクターは鶏や牛などの家畜の腸にいる細菌で、食用に処理される際、

肉の表面などに付着します。なかでも鶏肉の汚染が多く、厚生労働省の調査(08年)によると、

市販されている鶏肉の2割前後が汚染されていました。

そもそも食肉処理場では、店や家庭で生の鶏肉が食べられるように衛生管理は行われておらず、

また厚労省でも、今日の食肉処理技術で食中毒菌を100%除去することは困難としています。

カンピロバクターは生肉の他、肝臓(レバー)の内部にも存在しており、生肉に触れた手

やまな板などから、野菜やほかの食品にも菌が付着します。

少量でも感染し、菌が体内に入ると2日から7日くらいで、

発熱や腹痛、下痢、吐き気などの症状が現れます。

大阪府立公衆衛生研究所の川津健太郎研究員は、

冷蔵庫に保存したら大丈夫と思うが、カンピロバクターについては、

冷蔵保存すると菌が生き残るので注意。また新鮮なモノほど菌の付着が多いので、

新鮮なモノほど危険性が高い」といいます。

サルモネラなどは湿度の高い常温で増殖していくのに対し、

カンピロバクターは逆に減少していきます。

カンピロバクターによる食中毒は、鶏肉の刺身やユッケなどのように肉を生で食べたり、

加熱が不十分な肉料理を食べたりすることによって発生しています。

また、手指やまな板を通して細菌が付着した野菜などを生で食べたり、

細菌で汚染された飲料水を飲んだりして、食中毒が発生しているケースもあります。

カンピロバクターによる食中毒を防ぐためには、

生肉や加熱が不十分な肉の料理は食べないことが重要です。

肉や脂をつなぎ合わせた結着肉や挽肉、筋切りした肉、タレや軟化剤に漬け込んだ肉、

牛や鶏のレバーなどは、内部まで十分に加熱してから食べましょう。

カンピロバクターによる食中毒を防ぐポイント
【保存】
・ 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に
・ 肉や魚は汁が漏れないように包んで保存する
【準備】
・ 生肉や魚を切ったまな板や包丁は必ず洗って
熱湯消毒
【調理】
・ 肉や魚は十分に加熱。中心部分
の温度が75℃で1分間が目安