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◎ 咳、微熱に注意! 9~10月に発症が集中する「夏型肺炎」

毎年9月前後には、

カビが原因で起こる「夏型過敏性肺炎」が増加します。

暑さで体力が弱るこの時期、

「発熱して咳がひどい」などの症状から夏風邪と間違われやすいですが、

何年にもわたって夏に咳や微熱など同じ症状を繰り返す、

家に居る時間が長くなると咳がひどくなる、などの場合は夏型過敏性肺炎が疑われます。

夏型過敏性肺炎の原因はトリコスポロンというカビの一種です。

カビの胞子は5マイクロメートル(0・005ミリ)程度の微粒子で、

それが肺の奥にある肺胞まで繰り返し吸い込まれるうちに、アレルギー反応を起こします。

細菌や真菌が肺で増殖する通常の肺炎とは異なり、

症状は頑固なせきが出て、息切れしやすくなるのが特徴です

東京医科歯科大学の吉沢靖之副学長は、

「夏に胞子が飛散するため5~10月に症状が出やすく、

特に最初の発症は9、10月ごろに集中する」といいます。

逆に冬には症状が治まります。

何年も繰り返すと慢性化し、

肺が線維化する肺線維症につながることもあるので注意が必要です。

トリコスポロンは腐った木などで繁殖します。

浴室や洗濯機の周囲、キッチン等の水回りが多く

、雨漏りした天井や床下浸水の跡などに発生することもあります。

また、湿気が多い押し入れ、寝具のほか、エアコン内部で増えて、

風で胞子をまき散らすこともあります。

吉沢副学長によると、築20年以上の木造一戸建てや、

築7年以上のアパート、団地の1~3階で暮らしている人に発症するケースが多いといいます。

特に河川敷のそばや埋め立て地などは水はけが悪く、カビが発生しやすいので注意が必要です。

暖かい地域が多く、患者は秋田県以南でしか報告されていません。

急性の場合は40~50歳代、慢性だと60歳以上が中心で、

家に長時間いる主婦が発症する例が多いのですが、

会社員の場合、帰宅したときだけ症状が出る人もいます。

根本的な解決には、どうやってカビを防ぐかがポイントになります。

防カビ剤を使えばカビの量はいったん減りますが、やはり発生源を取り除くのが一番です。

千葉工業大学の小峯裕己教授(建築環境)は

「カビの繁殖の原因は養分と水分と温度」と指摘します。

カビが繁殖しやすい場所と対策は下の通りです。

【浴室】入浴後に必ず換気する。タイルを乾いた布でぬぐう。撥水性のある風呂床も効果的。

【窓】結露をぬぐう。二重サッシに交換する。

【寝具】こまめに洗い、日干しにして温度を60度以上の高温にする。

【押入れ】すのこを使ってすき間を作り、空気を循環させる。

古い家屋の場合、はっ水性のある風呂床や、

結露しにくい二重サッシなどに取り換える手もあります。

また、過敏性肺炎には、

鳥の羽毛や排せつ物、塗装、小麦粉などが原因となるタイプも知られています。

鳥の場合は飼っているインコなどのほか、

羽毛布団や近所の養鶏場などが引き金になることもあるので注意が必要です。

アレルギー症状の発現には、体調の低下や環境も影響します。

特に疲労は免疫力の低下や自律神経の変調をもたらすので、十分な睡眠をとり、

ストレスや疲労をためないことが予防や症状緩和につながります。

今年は特に9月後半になっても暑さが続いていました。

身体は疲れやすくなっています。

しっかり自然治癒力を高めましょう(^.^)/~~~