お知らせ

トップページ>お知らせ>低体温は万病のもと④

◎ 低体温は万病のもと④

【「冷え症」と「低体温」のちがい】

「冷え症」と「低体温」は冷えという共通項はあるものの、メカニズムはまったくの別物です。

「冷え症」は手足が慢性的に冷えて、お風呂などに入ってもなかなか温まらず、すぐ冷えてしまう。

手足が冷えてなかなか眠れないなどの症状を指します。

しかし、この手足の冷えは手足の末梢血管を収縮させて、

身体の内部の温度(深部体温)を保とうとする防御反応です。

女性に多いこの冷え症はとてもつらい症状ですが、

この防御システムが過剰に反応してしまうために起こるものです。

冷え症の人は防御反応が強く働いて、深部体温を守ろうとする働きが強い人ともいえます。

手足が冷える「冷え症」の人でも深部体温が36度以上ある人は少なくありません。

「低体温」とは医学的な定義では35度以下をいいますが、

一般的には36度以下を低体温とすることが多いようです。

ここでは36度以下の体温を低体温ということにします。

特に自覚せずに低体温に陥りやすいのが睡眠時。

体温が下がる時間ほど、突然死が増えているのです。

暖かい布団のなかで眠っていたとしても、10度以下の寒い部屋で寝ていた場合、

呼吸によって内臓が直接冷やされ、体温が35度以下まで低下してしまうこともあります。

【手足がぽかぽかなのに「低体温」?】

手足などの末梢が冷える人は「低体温」を自覚しやすいのですが、

手足がほてって汗をかいていても、身体の内部は冷えていることがあります。

そのような場合は、低体温に気づきにくいので注意が必要です。

これは、本来なら寒さにあたるとおこらなければならない血管の収縮がおこらないために、

どんどん体温が逃げてしまうタイプの低体温です。

なぜ血管が収縮しないかというと、体質やストレス、不規則な生活などによって

血管収縮の命令を出す交感神経の機能が低下しているためと考えられます。

また、老化によって血管が硬く変化してしまうと、

交感神経が命令を出しても収縮してくれません。

そのため、高齢者には低体温の方が多いといわれます。

しかも放熱して体は温かく感じているため、保温など適切な対処をとらないために、

どんどん熱を逃がしてしまいがちなのです。

(つづく)